[メイン3] 謎のメイドさんA :  

[メイン3] 謎のメイドさんA :  

[メイン3] 謎のメイドさんA : 「はぁ」

[メイン3] 謎のメイドさんA : 静かにため息

[メイン3] 謎のメイドさんA : 響く息、憂鬱な旋律

[メイン3] 謎のメイドさんA : 俺は、ただのメイド…の仕事をしてるんだけどさぁ

[メイン3] 謎のメイドさんA : ハハ、おかしな話だよね

[メイン3] 謎のメイドさんA : 勘違いしないでおくれよ?趣味じゃあないんだコレは

[メイン3] 謎のメイドさんA : 俺さぁ、結構いろいろ仕事する立場なんだよね

[メイン3] 謎のメイドさんA : だけど運悪くというか、ミスってこんな仕事してるんだよ

[メイン3] 謎のメイドさんA : だからさ、今の俺は

[メイン3] 謎のメイドさんA : 謎のメイドさんでいいからさ

[メイン3] 謎のメイドさんA : …せめて"普段"の仕事はそうじゃない時に頼んでほしいよな?

[メイン3] 謎のメイドさんA : 断ってもいいんだが…

[メイン3] 謎のメイドさんA : 【願望器】なんてさぁ

[メイン3] 謎のメイドさんA : 面白いものがあるんじゃあ…

[メイン3] 謎のメイドさんA : 行くしかないんだから

[メイン3] 謎のメイドさんA : そう言って

[メイン3] 謎のメイドさんA : 一人のメイドはデッキブラシを抱えて

[メイン3] 謎のメイドさんA : 町の闇夜、裏路地へ

[メイン3] 謎のメイドさんA : 消えていった

[メイン3] 謎のメイドさんA :  

[メイン3] 謎のメイドさんA :  

[メイン3] 宣告者の神巫 :

[メイン3] 宣告者の神巫 :

[メイン3] 宣告者の神巫 : 地上を人が支配するようになった時代。
神が地上から去り人の時代になってから
そして人々が信仰を忘れ始めてから、長い長い月日が経った。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 神というものを生き物として識る者。
神話の時代を身近に感じた者。
或いは、信仰というものが廃れた時代に生きた者。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 人はいつか神という存在に対する畏れを忘れるのだろうか。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 否。否であると言えよう。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 世界の片隅に、未だ神と繋がる地があった。
人の目に付かぬ辺境に、確かにそれはあった。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 翼を広げ、鮮やかな光を放つ御霊。
デクレアラー
宣告者。

[メイン3] 宣告者の神巫 : それこそが、彼らの信じる神だった。

[メイン3] 宣告者の神巫 : その神殿で祈りを捧げる一人の少女。
……いや。正確には、祈りを捧げるのではなく、待っていた。
かの存在が、言葉を授けてくれるのを。

[メイン3] ・・・ :

[メイン3] ・・・ : 手に入れろ

[メイン3] ・・・ :

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「……!」

[メイン3] 宣告者の神巫 : かの物を 他の存在に 渡すな

[メイン3] 宣告者の神巫 : 確かにそう声が聞こえた。
かの物。手に入れろ。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「……聞こえました」

[メイン3] 宣告者の神巫 : 声の意志は絶対である。
何故なら、それこそが幸せな未来を約束する、神のお導きなのだから。
この世全ての罪を、償う唯一の道なのだから。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「皆さん、行きましょう」

[メイン3] 宣告者の神巫 : その意思を汲み取って、人々を導く。
それこそが私の役目。

[メイン3] 宣告者の神巫 : ああ 今回もまた

[メイン3] 宣告者の神巫 : 『ゆるされた』。

[メイン3] 宣告者の神巫 :

[メイン3] 宣告者の神巫 :

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス : かつて誇り高き騎士だった男は屍生人と化し
一度蘇った時にさえ、人の血肉を搾り食っていたッ!
そんな男が、この戦場、しかも夜の真っただ中にその魂を呼び覚ました時
果たしてどうなるかッ! 結果はこの男に付着

いや、もはや彼を真っ赤に染め上げている返り血が示しているだろうッ!

[メイン3] タルカス : 「UWWWW…………どいつもこいつも骨の無いッ!
 ただの血の詰まった肉袋がァ~~
 わしのビッグサーベルの錆びにもならんッ!!!」

[メイン3] タルカス : 刃渡り2mのビッグサーベルも深紅の如くに染め
豪快に大地を踏み鳴らしながら、次の獲物を探した。
いや、もはや獲物以下! ただ願望器が見つかるまでの餌! 繋ぎを探すのみであった!

[メイン3] 宣告者の神巫 : 久しぶりに故郷を出た。
此処までの長旅は初めてだったかもしれない。

[メイン3] 宣告者の神巫 : ようやく目的地の近くへとたどり着いた私たちを出迎えたのは、血の匂いだった。

[メイン3] タルカス : その常人の指が何本も入る鼻筋をひくつかせ
クンッと 生きた人間の『匂い』をタルカスは感じ取った!
その瞬間だろうッ!

[メイン3] タルカス : その巨躯に秘めた超エネルギーで、大地を踏みしめ
蹴りッ! そしてその方向へと跳躍したのはッ!

[メイン3] タルカス : 飛行機が飛んでくるようなそんな豪快な音で空気を裂きながら
一直線ッ!!! 狙うはこの匂いを放つ生者ッ!

[メイン3] タルカス : 「UOHHHHHHHHHHHHHH─ッ!!!!」

[メイン3] タルカス : そして捉えるッ!
『宣告者の神巫』をッ!

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「……!」

[メイン3] 宣告者の神巫 : その血の匂いを充満させた元凶か。
自分以外の血に濡れたそれが、こちらに迫ってくるのが分かる。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 咄嗟に、手を結ぶ。
同時に

[メイン3] 宣告者の神巫 : 白い巨腕が、現れる

[メイン3] タルカス : 「何───ッ!!!!」
その巨腕は、タルカスの肉の塊のような腕よりも巨大ッ!
そして刃渡り2mのビッグサーベルにも勝るッ!!!

[メイン3] タルカス : だが、その正体を確かめはしない
タルカスは脳裏に自身と圧倒的体格差があるにも関わらず
自身を葬ったある戦士の事を思い出し、そして処刑人も連鎖的に脳裏に過ぎらせ

[メイン3] タルカス : ブチブチと、自身の舌先を噛み
一気に膨れ上がる怨念を力に変えるかのように

[メイン3] タルカス : 「UOHHHHHHHH!!!!」
叫びッ! そして振るうッ!
岩をバターのように切るその剛腕で! ビッグサーベルをッ

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「……貴方も抱えているのですね、罪を」

[メイン3] 宣告者の神巫 : 銀河の渦から這い出た両腕。
それに続くように、光が集う。

[メイン3] タルカス : 罪───
その言葉を反芻

する事は無い、今の彼は屍生人! ゆえに

[メイン3] タルカス : 恐れたのは、その『光』ッ───!!!!

[メイン3] タルカス : 思わずそのビッグサーベルで、視線を遮り
光から目を背けるッ!

[メイン3] 宣告者の神巫 : 集いし光が同調し、再び姿を形作る
腰から両脚にかけた人の部位を模したような、異質な白いモノへと形を変えて

[メイン3] タルカス : 「なんだッ……!!!
 この光……いや……この異形はッ……!!!」
忌々しい光がシルエットとなり
異質な何かへと変わっていくのを目撃し、動揺する。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 銀河から現れし両腕は聖光。
集いし光から生まれし両脚は虹光。

[メイン3] タルカス : (おれの身体……塵にもなってはいない
 これは太陽光……ではないという事かッ……だが
 今のおれにとって忌々しい光には変わりはないッ!)

[メイン3] タルカス : (コイツは一体なんだッ……!!!)

[メイン3] 虹光の宣告者 :

[メイン3] 聖光の宣告者 :

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「……今回もまた、お許しになられるのですか?」

[メイン3] 宣告者の神巫 : 現れた二つの異形に、語り掛けるようにそう呟く

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「ああ、ああ……なんと慈悲深い……」

[メイン3] 宣告者の神巫 : 異形は何も答えない。
いや、彼女にだけ答えているのか。

[メイン3] タルカス : 虹光と聖光に
白と黒の輪郭を幻視しながら、タルカスはその異形に対して
ノミのような本能が押さえつけられそうになるッ───!!!

[メイン3] タルカス : こいつらは何なのか? この女は何者なのか?

[メイン3] タルカス : いや───それは突っ込めば自ずと。

[メイン3] タルカス : ブレーキを掛けようとしたその足で豪快に大地を再び蹴れば
その巨躯をまるで弾丸の如く跳ねさせるッ!

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「貴方にも機会はあるはずです。過去の過ち、後悔、罪」

「あなたも、『ゆるされ』ましょう」

[メイン3] タルカス : 過ち? 後悔? 罪?
ギュッッッと圧縮された時間の中
タルカスは確かにそう聞こえた。

[メイン3] 宣告者の神巫 : その間に立ちふさがるは両脚。

[メイン3] タルカス : その時、朧気ながら───脳裏を過ぎる

かつての主───…………
否、我が主は

[メイン3] タルカス : 『ディオ・ブランド―』ただ一人ッ!!!!

[メイン3] タルカス : タルカスは止まらないッ!
たとえ正体不明の何かが相手であろうと
その光に向かってサーベルを振るったッ!!!

[メイン3] 宣告者の神巫 : 砕け散る虹光。
それと同時に、地面に色濃く魔法陣のようなものが灯る。

[メイン3] タルカス : 圧縮され続けた時間の中
タルカスはその目だけをギロリと動かし
その魔法陣と視線が重なる。

[メイン3] タルカス : 限りなく圧縮される体感時間の中
タルカスはその魔法陣の正体に思慮を巡らせるが

見当もつかない。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「『ゆるされる』のはとても心地よいですよ」

「少しの間、気を失ってしまうくらいには」

[メイン3] 宣告者の神巫 : 自らを捧げるように瞳を閉じる。
魔法陣の周りには炎が灯り、何処からか竜の遠吠えが聞こえる。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 機械の駆動音と生き物の鳴き声が混ざり合ったような奇妙な音。
『神』を顕現させるための機構竜。

[メイン3] タルカス : ───その輝巧の竜は、タルカスの記憶の中にもちろんあるはずもない
まったく未知の存在、だが存在がハッキリと目に見えた瞬間。

[メイン3] タルカス : 屍生人でありながらも、その精神が
次なる連鎖に向けて、気圧されるッ!!!
───

[メイン3] タルカス : 「させるかァっ!!! 小娘がッッッ!!!
 UOHHHHHHHH───ッ!!!!!」

[メイン3] タルカス : すると筋肉をググッと音を立て肥大化させれば
無理やり自身が身に纏っている鎧の一部を破壊ッ!
破壊に伴いその鎧の破片が銃弾よりもはるかにデカい面積を持ちながらも

[メイン3] タルカス : 銃弾の如き速度で周囲に散らばるッ!

[メイン3] 宣告者の神巫 : ……もう遅い。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 『儀式』は、完遂された。

[メイン3] 崇光なる宣告者 : ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
  崇高なる宣告者
 ATK2000 DEF3000

[メイン3] 崇光なる宣告者 : 合体を完遂した巨体は
その『炸裂装甲』を

[メイン3] 崇光なる宣告者 : 『無効』にする

[メイン3] タルカス : 飛散した鎧の破片
そして振るわれるビッグサーベルッ!!!
たとえ熟練の戦士であろうとそれを本来、防ぐことはできない

が、相手は───

[メイン3] タルカス : そういう『次元』にはいなかった。

[メイン3] タルカス : タルカスの『攻撃』は
『無効』とされる───まるで光に浄化されるように破片が蒸発
どう形容すればいいか、それは常人には不可能ではあるが。

[メイン3] タルカス :  
「UWWWWW───!!!?」
自慢のビッグサーベルを振り下ろそうとするが、その光景を目の当たりにし
タルカスはそれを瞬時に止めれば、自身の牙を折り

[メイン3] タルカス : 愚策に堕すように
そして様子見をするように
それを吐き飛ばすッ!

[メイン3] 崇光なる宣告者 : それは守りを固める。
まるで権能を使うまでもないと主張するように。
強固なその身体は容易く、牙を弾き返す。

[メイン3] 崇光なる宣告者 : こちらから手を出す気はない。
こちらから殴りつける必要はない。
既に、この場は『制圧』した。

[メイン3] 崇光なる宣告者 : そなた等に出来る事は、もはや何一つない。
そう言わんばかりに、それはただそこに鎮座した。

[メイン3] タルカス : その守りは、たとえ伝承に存在する勝利をもたらす青き竜でさえも
拮抗し、破壊にまでは至らないであろう───タルカスが相手取っているのは
───次元の違う、青き輪郭を纏った崇光であった。

[メイン3] タルカス : 愚策も、もはや通用しない
その守りを万が一にも破壊し、突破できるものがあるか?
だがタルカスは───屍生人。つまりノミの本能に突き動かされている。

[メイン3] タルカス : ゆえに、残された手段と己の骨も血も肉も、その後どうなるかは
知った事ではないッ! ゆえにッ───

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「────さあ、罪人よ」

[メイン3] 崇光なる宣告者 :   サレンダー
「『懺悔』するなら今の内ですよ」

[メイン3] タルカス : 「ぬう……むむっ

 UOHHHHHHHHHHHHHHHHHHH───ッッッ!!!!!!!」

[メイン3] タルカス : その『懺悔』を聞き入れず
───その剛腕を振るい、その剛腕に握られる。

[メイン3] タルカス : ビッグサーベルで

『ダイレクトアタック』を試みようと───

[メイン3] タルカス : 振るうッ───

[メイン3] 崇光なる宣告者 : 割り込むように腕が重なる。
その刀剣を受け止め、刃を削ぐように。
『直接攻撃』を狙ったその思惑を、『無効』にする。

[メイン3] タルカス : 『無効』にされ、その刃を伝わり
タルカスに響くダイレクトダメージは、超振動を引き起こし
崇光に当てられながら、地面に思いっきりその巨躯を叩きつけられた。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「力は無意味です。ただ、自らの行いを思い返してみなさい」

[メイン3] タルカス : 「ぐうっ ぬっ ぬぬっ…………
 このッ……これしきの『痛み』で、へこたれるはずもなかろう……
 おれの行いなど、思い返す必要もあるまいッ……!!!」

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「……そうですか。残念です」

[メイン3] 宣告者の神巫 : 天使は手を下さない。
神は手を下さない。
ただ、そこに現れて懺悔を促すのみ。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 裁きを行うのはいつだって人間だ。
神の意思を現世に反映できるのは、人間しかいない。
ならば、その為の力は、人の手で用意するべきだ。『機械』として。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 再び、炎が周囲に灯る。

[メイン3] タルカス : ググっ、とその巨体を無理やり剣を支えに起こせば
ビッグサーベルを構え、その光に向かい
何度もサーベルを振るう、結果は見えている。

守りに弾かれ、何度も叩きつけられる。
それだけだ、同じ事の繰り返し。

[メイン3] タルカス : その中で、生じる『痛み』───。

[メイン3] タルカス : …………。

[メイン3] タルカス : 『痛み』?

[メイン3] タルカス : 痛みを感じるはずのない屍生人が
『痛み』を感じている。その違和感。

[メイン3] タルカス : それが、タルカスの『ターン』を終わらせた。

[メイン3] タルカス : 「…………」

(この、おれが痛みを覚え
 それに意を介したのか? バカな)

[メイン3] タルカス : だが、それに間違いなく
その大剣を振るう余力も無く、連鎖的に疲労を覚え
タルカスは膝をついてしまう。

[メイン3] タルカス : (このおれが……膝をついた……!!?
 バカな……!)

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「貴方が赦しを受け入れていれば、このような機械。出さずに済んだのですが」

[メイン3] 竜儀巧-メテオニス=DRA : ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
竜儀巧-メテオニス=DRA
  ATK4000 DEF4000

[メイン3] タルカス : それは───あの機構竜、そのさらに先の存在であった。
その竜を眼に焼き付けながら、タルカスは思わず一瞬の脱力を許し
大剣が地面へと倒れる。

[メイン3] タルカス : 先ほどの守りよりも強固
そして───先ほどの守りが秘めていた破壊力の更に上を行く
竜の存在に、タルカスは剛腕があまりにも無力だと思い知らされたッ!!!

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「……次に目覚める時までには、自らを見つめなおせていることを」

[メイン3] タルカス : これほどの竜を目の当たりにして、地に付すのなら
───仕方あるまい、卑劣な罠でなく
その圧倒的な力を見せつけられ、敗北するのであればむしろ。

[メイン3] タルカス : …………なんだこの、考えは? 騎士?
そしてこの、光は、おれの心、心? おれに心がまだ残っていたというのか
おれの中に、佇むあの人影は一体。
───おれは屍生人。おれの主はディオ様ただ一人。

だというのに。

[メイン3] 崇光なる宣告者 : 相変わらず動くことはない偶像
まるで、少女とその竜に指示を出すように腕を突き出す

[メイン3] 崇光なる宣告者 : 主人は、神巫ではない。
指示を出すのは、意思を示すのは。
ただそこに佇む、宣告者。

[メイン3] タルカス : わからぬ。
わからぬまま、死ぬも幸運と言える。
このおれの中に渦巻く、この何かが晴れたとき

おれは、何かに苛まれる。そういう確信があった。

[メイン3] タルカス : ───キサマは天使か、否、神か。
手厚く葬るのであれば葬れ。
おれはすでに二度葬られた身よ───。

そうでないのなら。

[メイン3] タルカス : タルカスは舌をブチブチと噛みちぎり
薄れていく気を取り戻そうとするが、屍生人にも拘らず気を失っていく。

[メイン3] タルカス : そこの小娘の言うように
目を覚ました後に、見つめ直せとでも、言うか───!!!

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] 崇光なる宣告者 : ……罪と向き合わぬまま消える。
過ちを過ちと知らぬまま死ぬ。

[メイン3] 崇光なる宣告者 : そのような最期を、
   パーミッション
それは許可しない。

[メイン3] 崇光なる宣告者 : それは、自らを見つめ直す機会を与える慈悲か。
それとも、人を苦しみへ導く鬼畜か。

[メイン3] 宣告者の神巫 : 「……行きましょう」

[メイン3] 宣告者の神巫 : 光に溶けていく偶像たちから背を向けたまま、飛び去る竜儀巧を見送る。
もはやここにいる意味はない。

[メイン3] 宣告者の神巫 : きっと、彼も『ゆるされた』。

[メイン3] 宣告者の神巫 :

[メイン3] 宣告者の神巫 :

[メイン3] サスケ :  

[メイン3] サスケ :  

[メイン3] サスケ :  

[メイン3] サスケ : 雷音を立て、男は別の、これまた人気無き廃墟まで移動する

[メイン3] サスケ : 雷を止め、男はそしてそのビルに身体を預ける

[メイン3] サスケ : 壁にもたれかかり、ふぅ、と一息

[メイン3] サスケ : チャクラを今の一戦で使い過ぎた事、そして腕や腹に対するダメージが未だ回復し切っておらず

[メイン3] サスケ : 願望器とやらを追う前に、少しばかり休息を挟む為に

[メイン3] サスケ : やはりと言うべきか、生活感こそアレども周りの店も、ビルも、何一つとして人はいなかった

[メイン3] サスケ : つまりは無人の彼方
そんな中だが、落ち着ける場所であったので

[メイン3] サスケ : ……身体の回復に時間はやはりかかるが、この様な静寂は気分を落ち着かせる

[メイン3]   : しかし、静寂ゆえに
その静寂が失せる事は即ち、次なる危険の到来を意味していたッ!!!

[メイン3]   : たしかに、そこは『無人』
だが───

[メイン3] タルカス : 突如として
サスケが落ち着いているであろう建物に向かい
サーベルを振るうッ!

そう!
生者の匂いを辿る───
『屍生人』がいたッ!

[メイン3] タルカス : 「UOHHHHHHHHHHHHH───ッッ!!!!」

[メイン3] サスケ : ……!?

[メイン3] サスケ : 敵襲、それを察知し直ぐ様背中の刀を構え、迎撃するが

[メイン3] サスケ : 未だ体調が整い切っていないのもあるのだろう、腕の負傷を熟慮したが故の迎撃は

[メイン3] サスケ : 結果として、男に更なる負傷を付かせる事となる

[メイン3] サスケ : 「グッ……!」

[メイン3] サスケ : 押し込まれ  る か!!

[メイン3] サスケ : もたれていた建物に、深く食い込み始める

[メイン3] タルカス : 「ぬうっ……!!!」
押し込む、が、たとえ熟練の戦士であれど、それらが束になれど
今の一撃に耐えられる者はいない、そう思っていたタルカスは再び驚かされるッッ!!!

[メイン3] タルカス : 「キサマ……『やる』な……?」
牙の折れた歯を見せながら、そのサーベルで更に食い込ませようとするッ!

[メイン3] サスケ : 鍛え上げられた、まるで鋼糸の様な筋肉が僅かに悲鳴を上げつつも

[メイン3] サスケ : 足をそのまま、向けられた腕に対して

[メイン3] サスケ : つまりは 拮抗中ではあるこの体勢

[メイン3] サスケ : 故に、相手の持つサーベルをはたき落とすために

[メイン3] サスケ : サーベルを持つ肘関節、そこを狙う様に蹴りを放つ

[メイン3] タルカス : 「ぬぐうっ……!!!」
再び『痛み』を覚える、が、それよりもタルカスの目からは
間違いなく放たれるはずがないと思われた力が肘関節へと加わり、サーベルを放すッ!

[メイン3] タルカス : なんて『パワー』……コイツも只者ではないッ!!!
何者だッ……あの戦士や、あの天使の如き……『凄み』があるッ!!!

[メイン3] タルカス : そんな事が脳裏に過ぎるタルカスだが
それに困惑する間もなく、自身も返すように蹴りを繰り出すッ!!!

[メイン3] サスケ : 今の状態、力同士の真っ向勝負はキツい

[メイン3] サスケ : 蹴りに対し、男は

[メイン3] サスケ : 隻腕である左肩を前に傾ける

[メイン3] サスケ : 本来なら自殺行為であるだろうが
黒衣の男は更に押し込まれていた壁をフリーの脚で蹴り、勢いを付ける

[メイン3] サスケ : 結果として、男の左肩は直撃の前に巨漢の脛の部分に乗る

[メイン3] サスケ : 更に、左肩に体重を掛け無理矢理蹴りを地面に逸らすようにする

[メイン3] サスケ : 体勢は、地を離れタルカスの脚上を宙を舞う様に

[メイン3] タルカス : 地面に逸らされた足底は───
地面を破壊するッ! が、男は宙を舞い、次なる行動へと出ていたッ!!!

[メイン3] タルカス : 「───ぬうっ!!?」

[メイン3] タルカス : この男、その身体に反し巨躯にも敵う力を持っている……!
あの戦士のように、そして───ブラフォードのようにッ!!!
ならば、この男…………波紋や髪のように

[メイン3] タルカス : 何か『術』があるのではないか───そう、タルカスは深読むが
宙に舞う男に対し巡らせるは思慮ではないッ!

[メイン3] タルカス : 蹴りが外れた瞬間に
拳を振るおうとするッ!

[メイン3] サスケ : ─────っ!?

[メイン3] サスケ : 目が見開かれる
想定を見誤ったか、!

[メイン3] サスケ : 巨漢の男は、その巨体にも関わらずかなりの反応速度のまま拳を繰り出し

[メイン3] サスケ : 強制的に、空いている右手の刀で受けざるを得なかったが────

[メイン3] サスケ : 「チッ……!」

[メイン3] サスケ : 元は細身、チャクラが十全であれば対応出来たそれを受け止めきれず

[メイン3] サスケ : 勢いのまま、振り抜かれた拳の方面に、宙を舞う

[メイン3] タルカス : 「ふうぅぅう……ぬうっ……!!!」
拳を振るうが、その手応えはダメージにこそなったが致命傷には到底至らない
そして拳から伝わる生気が、肉が、骨が、タルカスに僅かながらの痛みを生じさせる。

[メイン3] タルカス : この『痛み』は何だッ!!!
わからない───だがそれを知るためには、おれは闘い続けなければならない
何より……ディオ様の為だが。

[メイン3] タルカス : この違和感を覚えたままでは、晴れぬ気持ちが枷となろうッ!
さあ教えろ……キサマのような強者とであれば、何かがわかるかもしれんのだッ!!!

[メイン3] タルカス : 「UOHHHHHHHHHHHH───!!!!」
拳を振るった勢いを、そして地面を踏み砕いた勢いを利用し
サスケが舞った方向へと突進ッ───!!!

[メイン3] サスケ : 「アンタが何の為に戦ってるのかは…知らん、が」

[メイン3] サスケ : 宙を舞いつつ、ビルに追突する
ところ、で

[メイン3] サスケ : ビルの側面に足を付け、まるで立っているかの様に

[メイン3] タルカス : 「ぬうっ!!?」

[メイン3] タルカス : 壁の側面に足を……だがめりこんではいないッ!
まさに立っているッ! どういう事だ……だが『波紋』の気配は無いッ!

[メイン3] サスケ : まるで、その側面を地上の走行としか思われないように勢い良く降り

[メイン3] サスケ : その首を目掛けて、大振りで刀を横薙ぎ

[メイン3] サスケ : 大気を切る音を奏でながら発せられた斬撃、月に照らされ刀身は煌めく

[メイン3] サスケ : 切断でもしてくれるのであれば御の字なのだが…!

[メイン3] タルカス : (速いッ───!!!)

屍生人の力任せかつゆえに俊敏な動きですら捉えきれない
その速度ッ! そして、大振りの横薙ぎが奏でる音が聞こえたと同時

[メイン3] タルカス : 「UW UOHHHHHHHHHHHHH───!!!!」

───激痛ッ!!!
骨にまで届いた、その斬撃がタルカスを叫ばせるッッッ!!!
しかし月に照らされた刀身が赤く染まるが

[メイン3] タルカス : "骨にまで届いた"という事はつまり
その強靭な肉と強靭な骨によって、骨で食い止めたという事になるッ!
ゆえにッ!

[メイン3] タルカス : ガシィッ! と、その間隙を縫うかのように
サスケの刀をへしおろうと拳を振り上げようとするッッ!!!

[メイン3] サスケ : ……何!?

[メイン3] サスケ : 今、現段階で出せる生身の中でも力であるならかなりのものであったそれをギリギリで食い止められ

[メイン3] タルカス : 振り上げて刀身にその拳を直撃させると同時ッ!
タルカスは自らの鎧をもう片手で粘土のようにぐちゃぐちゃに千切りッ!

[メイン3] タルカス : 力任せに"投擲"するッ!!!

[メイン3] サスケ : 最早役に立たなくなったそれを瞬時に切り捨てる判断

[メイン3] サスケ : 男の首が想像以上である故に、一先ず握っていた鍔を一度離し

[メイン3] サスケ : そのままそれを支えにするかのように右手で鍔に触れ、更に宙を舞う

[メイン3] サスケ : が!
砕かれ、投擲されたそれには対応し切れず

[メイン3] サスケ : 直撃、致命を避けつつもその投擲を受ける!

[メイン3] タルカス : (当たる面積を最小限にしたかッ!!! この光景───あのヒゲの波紋戦士に
 似ているッ!!! とっさの判断力ッ! 褒めてやろうッ)
更に生まれた間隙を縫うッ───!!!
タルカスはあの刃渡り2mのビッグサーベルを拾い上げればッ!

[メイン3] タルカス : ここが建物の中だという事を利用するかのように
その強靭な足で地ならしを起こしながら、天井に向かってサーベルを振るい
建物を倒壊させようとするッ!!!

[メイン3] サスケ : 吐くのは弱音も吐息でも無い
そう言わんばかりにノーリアクションのままそれを受けるが、苦痛に顔は僅かに歪む

[メイン3] サスケ : 何 と言う破壊力 か!!

[メイン3] サスケ : しかし、男はその中でも冷静に次の策を熟慮し

[メイン3] サスケ : 身体を捻り、地ならしや他の一撃には目もくれず

[メイン3] サスケ : 脚をその建物を崩壊させるために振られ、その余波を残しつつも動かせないだろうと踏んだ為に

[メイン3] サスケ : サーベルを持つその腕に、足で組み付いた

[メイン3] サスケ : 建物が"徐々"に倒壊する音を鳴らす
が、それは"徐々"でしか無い、まだほんの僅かに猶予がある故

[メイン3] タルカス : 「何いっ───こいつッ!!!」
なんて『勇気』だッ!! おれのこの剛腕に、そして足に組み付くかっ!?

[メイン3] サスケ : その相手の腕を組み付いたまま、そのまま地面にも腕を振り下ろさせる

[メイン3] サスケ : 結果として、男はその巨体の影に覆いかぶさる様に下となり
巨漢の男は必然的に黒衣の男よりも上にポジションを取る

[メイン3] サスケ : 関節技によるマウントポジション
下から締め上げる…が目的では無く

[メイン3] サスケ : 狙いは

[メイン3] サスケ : タルカスを、崩れる建物の盾とする

[メイン3] タルカス : 「何ィィ~~~~ッ!!!」
今の一瞬、いや一瞬ですらないッ!
瞬きの一つも許されない、間髪入れず! この判断ができるのかッ!!!

[メイン3] タルカス : 「UOHHHHHHHHHHHHH───ッ!!!!」
振るっていた剛腕は、そして大剣を崩れる建物の盾とするッ!

[メイン3] タルカス : そして瓦礫は次々とタルカスへと降りかかり
連鎖的に建物そのものと、建物内に存在したインテリアや小道具の数々も合わせて滝のようにタルカスを打つッ!

[メイン3] サスケ : さて、この僅か数cm上での大惨事の中

[メイン3] サスケ : 右腕が空いていた男は、ポーチからクナイを取り出し
それをガラ空きの胴体に

[メイン3] サスケ : 刺し、抜き、刺し、抜くッ!!!

[メイン3] サスケ : 上と下
2方面による同時攻撃が、巨漢に向けて完成した瞬間であったッ!!

[メイン3] タルカス : 上からの瓦礫に潰されるだけであればッ!
タルカスはむしろ瓦礫の下敷きにこの男と共に埋まり、その屍生人の力で
己だけが生存する事も可能だった! あるいは男が抜け出したところで
瓦礫を立ちあがると同時に吹き飛ばし、不可避の速攻を与えられる可能性もあった!

───が、この男は更に間髪入れずに下からの攻撃という判断を下したッ!!!
タルカスの胴体に無数に穴が開いていき、その分の『痛み』がタルカスを襲うッ!!!

[メイン3] タルカス : 「UGOHHHHHHHHHHHH AAAAAAAAA───ッッッ!!!!」
目を見開き、内臓をやられた事で血反吐を吐き
脂汗をかく───それに加え、激痛ッ! 屍生人は再生能力を持たないッ!
ゆえに破壊された部分は治る事も無いッ! そして激痛も続くッ!

[メイン3] サスケ : 刺し…た所で、男は再びポーチから何かを取り出し、クナイの持ち手の穴に通す

[メイン3] サスケ : そして、瓦礫が一通り落ち切った時を見計らい即座に絡めていた足を引き戻す為に腰を引き

[メイン3] サスケ : 蹴りを、タルカスの胴体を上に吹き飛ばす様に両脚を放つ!

[メイン3] タルカス : 「ぬぐっ!!! GUOHHHHHHHAAAAAAAA───ッ!!!!」
この巨躯がいとも簡単に、上へと吹き飛ばされるッ───!!!
ビッグサーベルも手放し、この肉よりも頼みにはできないとはいえ鎧も跡形もなくなったッ!!!

[メイン3] サスケ : そう、蹴りの瞬間にチャクラを足に纏わせたが故に成し得た行為

[メイン3] サスケ : しかし、本来ならこのまま足が両、上を向いている状態で追撃は不可だろう

[メイン3] サスケ :

[メイン3] サスケ : 男は、その両の脚を蹴り飛ばした姿勢のまま空に舞うタルカスに猛追する!!

[メイン3] サスケ : 刺したクナイ、そのワイヤーを…勢い良く引く事により脚を使わないまま、空を同じく舞ったようにした!

[メイン3] タルカス : タルカスは猛追する男を見て、キッと睨みを飛ばせば
歯を軋ませ、とうとう折れるだけの歯をバキバキと音を立てへし折れば
首を限界まで曲げ、ゴキンッと音を鳴らせば

[メイン3] タルカス : パウッ───!!!!
と音を立てて、最後の悪あがきのように歯の散弾を飛ばすッ!!!

[メイン3] サスケ : それは、確かに本来なら男を貫くのだが

[メイン3] サスケ : ワイヤーを持つ、この性質上

[メイン3] サスケ : 「…う…おおおおッ!!」

[メイン3] サスケ : そのワイヤーを力よく引っ張る

[メイン3] サスケ : それは、刺していたクナイが
いや、クナイでは無く巨漢を無理矢理動かす為に

[メイン3] タルカス : 「ぬぐぉっっ───!!! バカなッ……! これほどの力ッ……!」
脳裏を過ぎるは、二度目の死
その直前に見た、涙を流し怒りに震えるあの戦士ッ!!!

[メイン3] タルカス : 無理やりとはいえその巨躯は操り人形のように、いとも簡単に
動かされ、歯の軌道が逸れるッ!

[メイン3] サスケ : その力の反動を利用し、黒衣の男は歯の軌道から逸れ

[メイン3] サスケ : 月夜を背景に、必殺の一撃の為に全霊を込めようとする…!

[メイン3] サスケ : 力任せに引っ張ったが故に巨漢の軌道は未知、しかし問題は無い

[メイン3] サスケ : 月夜と巨漢の間にまで何とか身体を舞わせ

[メイン3] サスケ : 一度は叩き損ねた"首"に対して

[メイン3] サスケ : 照準を、狙いを合わせて

[メイン3] タルカス : ───悟る。

タルカスは凝縮した時間の中で、月夜に照らされながら
己の死が間近に迫っていると。

[メイン3] タルカス : その瞬間、いや、あるいは体を舞わされているその時から
口を開いていただろうか、タルカスはその瞳に光を灯らせた。

[メイン3] サスケ : かつて
タルカス
英雄を処刑するそれを再現するかの如く

[メイン3] タルカス : 「───貴様、名は」
その瞳に次に映るは、断頭台。

[メイン3] タルカス : だが今この瞬間、憎悪も、恐怖もなかった。

[メイン3] サスケ : 「うちは、サスケ」

[メイン3] サスケ : 宙を降りながら、答える

[メイン3] タルカス : この痛みは、生の証し
そして、やすらぎへの道だとも
タルカスは悟った、ゆえに───その名を聞き届け。

[メイン3] サスケ : 踵は、その巨漢の首を完全に捉える
残り、1秒

[メイン3] サスケ : 1秒で、巨漢の首に足は掛かる

[メイン3] タルカス : 四百年経った末に垣間見えた 光よ 戦士よ
───全てを思い出した おれは
あるべき所に旅立とう いつになるかはわからないが
そのいつかがくるまで この罪を濯ごう

[メイン3] サスケ : そして、首に踵が掛かり

[メイン3] サスケ :  

[メイン3] サスケ : 全体重を乗せたそれは、静かに

英雄 屍生人
『天』から『地』に

[メイン3] サスケ :  

[メイン3] サスケ : ニードロップのまま、地面へと巨漢を叩き付けた

[メイン3] サスケ : 断頭台による処刑を完了させるが如く、それを放ち切った後首から脚を離し、巨漢の方を見る

[メイン3] サスケ : 幾ら首が強靭と言えど、高度80mから一点のみに体重を掛けられた状態で…生存はできない…はずだ、が…!

[メイン3] タルカス : 恨み、憎み、その為におれはこの世に蘇った
だが、本当に蘇るべきかすかな記憶がよみがえってくる。
それと同時、その強靭であった首は、月夜の光の中

[メイン3] タルカス : 首から下と分離し、シルエットとなりて宙を舞う。

[メイン3] サスケ : 「……」

[メイン3] サスケ : 「然らばだ、名も知らぬ英雄」

[メイン3] タルカス : 怒りは無い、ゆえに硬直せず
それを受け入れたタルカスの首は、月夜の下だというのに灰と化していく
だが、その顔は───

[メイン3] タルカス : やすらぎに満ちていた。

[メイン3] サスケ :  

[メイン3] サスケ : うちはサスケが無意識に取った、その行動は

[メイン3] サスケ : 「敬礼」であった

[メイン3] サスケ : 最期のその姿、巨漢の人生を感じ取り

[メイン3] サスケ : 大剣を、墓標とする様に巨漢が散った元に突き刺し

[メイン3] サスケ :
 『英雄此処ニ眠ル』

[メイン3] サスケ : そう記して、黒衣の男は再びどこかに消えたのであった

[メイン3] サスケ :  

[メイン3] サスケ :  

[メイン3] サスケ :  

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス : ───おれは全てを見届けた。

舞台に招かれた青き残響を

おれの罪すらも赦そうとした宣告者を

無限の希望も絶望を重ねた者を

常に強者に臨む命知らずの戦士を

[メイン3] タルカス : そして───

[メイン3] タルカス : 『うちはサスケ』

[メイン3] タルカス : 覚えたぞ
その名を胸に刻み 地獄へと堕ちよう
もはや光を見る事は叶わぬだろう

[メイン3] タルカス : 『殺戮のエリート』などと自惚れ
この手で この足で 何もかもを破壊した
かつての戦友の亡骸さえも

[メイン3] タルカス : そして 悪鬼に立ち向かう勇者を導く老師でさえも

[メイン3] タルカス : 重力による縛りを失った魂が徐々に天へと昇る。

[メイン3] タルカス : 「さらばだ」

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス : その時

[メイン3] タルカス : 眩い光が辺りを包み

地獄へと足を踏み入れようとするおれの魂を見送るように
何者かの視線を感じた。

[メイン3] タルカス : 否、この視線は

この光にいつか導かれ、共に還ろうと
そういう意図が感じられた。それほどまでに優しく、柔らかい

『安らぎ』であった。

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス : 「まさか」

[メイン3] タルカス : 「おれを

 このタルカスを待ってくれる、と……」

[メイン3] タルカス : かつておれにトドメを刺した勇者が
おれがその手で葬ってしまったあの老師が
妙にクールを気取ったあの男が
かつての戦友が そしてあの扉を開いた幼子が

[メイン3] タルカス :
そして

[メイン3] タルカス : 「…………」

[メイン3] タルカス : 「女王」

[メイン3] タルカス : 「このタルカス
 必ずや 今度こそ間に合うよう
 戻りますとも」

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス :  

[メイン3] タルカス :